答えを当てる前に、どこを見たか聞く
分数の大小を答えられても、「どうしてそう思った?」で止まることがあります。分子の数だけを見たのか、分母を見たのか、図を思い浮かべたのか。答えだけでは、その違いは分かりません。分数ものさしは、2つの分数を同じ長さの全体に対するバーで比べる道具です。この記事では「くらべる」を使い、大人と子どもが比べたい数を決めて確かめます。
最初に紙へ2つの分数を書き、どちらが大きいと思うかを聞きます。まだ理由が言えないときは、「上の数を見た?下の数を見た?」と、見た場所を尋ねてみてください。正しい説明を先に教えるより、予想と画面を比べる準備になります。
1/2と1/3で、分母の役割を確かめる
アプリを開いたら「くらべる」に切りかえます。左を1/2、右を1/3にします。左右の分母・分子は「+」「−」で変えられます。分母を変えたあと、分子も思った値になっているか確認してください。画面を見る前に、同じ長さの紙を2つに分けた1つ分と、3つに分けた1つ分を想像します。
3という数字が2より大きいので1/3を大きいと予想した場合も、すぐに否定する必要はありません。バーを見て、「全体を細かく分けると、1つ分はどうなる?」と聞きます。同じ全体を分けていることが、この比較の条件です。大きなケーキの1/3と小さなケーキの1/2を比べる話とは分けて考えます。
次は右を1/4にして、長さがさらに短くなるか予想します。何度も数を変えるより、1/2、1/3、1/4を紙に描いて並べると、分母が何を表しているかを確かめられます。画面上で分かったように見えても、紙で同じことを説明できるかが次の問いになります。
1/2と2/4で、「同じ」を言葉にする
左を1/2、右を2/4にすると、バーは同じ長さになります。「数字は違うのに、何が同じ?」と尋ねます。4つに分けた2つ分は、全体の半分。2つに分けた1つ分も半分です。ここでは大小を決めることより、別の書き方で同じ量を表せることを扱います。
アプリには、左の分数と同じ大きさの分数の一覧も出ます。1/2のときは2/4や3/6などを見ながら、分子と分母を両方同じ倍にしたことを確かめられます。一覧は暗記するためのものではありません。紙の長方形を4等分して2つ塗り、さらに6等分した図で3つ塗るなど、同じ量になる理由を図で示します。
「上と下に同じ数を足したら?」という疑問が出たら、1/2と2/3を比べてみます。どちらも1を足した形ですが、バーは同じ長さになりません。掛けることと足すことの違いを、具体例で確かめる場面になります。
2/3と3/4から通分へ進む
半分の比較が分かったら、左を2/3、右を3/4にします。まずバーで3/4のほうが長いと確かめ、そのあと「通分して比べる」の表示を見ます。分母を12にそろえると、2/3は8/12、3/4は9/12。同じ大きさの区切りを何個取るかで比べられます。
子どもには、画面の8と9を写す前に、「3つの区切りを12にするには、何倍にした?」と聞きます。分母を4倍にしたので分子も4倍にして8、もう片方は3倍にして9、という関係を紙に書きます。通分は数を大きくする作業ではなく、同じ量を比べやすい書き方に直す作業だと説明できます。
バーの長さだけで分かるなら計算を省いてよい、という使い方にしないため、最後は画面を隠して同じ比較をしてみてください。理由が難しいときは1/2と2/4に戻れます。比較の順を固定せず、今説明できるところに合わせて選びます。
授業では予想を残し、家庭では1組で終える
教室で大きな画面に映すなら、操作する前に全員が予想を紙に書く時間を取れます。挙手だけだと、先に答えた人に合わせてしまうことがあります。予想、バーでの確認、理由の説明を順に進め、最初の答えが変わった人にも「何を見て変えた?」と聞きます。正解した人数を数えることが目的ではありません。
家庭では、1回に3組全部を扱う必要はありません。宿題に近い1組を選び、紙で予想し、画面で確認して、もう一度紙へ戻るところまでで終えられます。「今日は半分と同じ分数を見つけた」のように、分かった内容を短く残すと、次に何を試すかも決めやすくなります。
「くらべる」で入力した分数は保存されません。比べた数を後で使いたいときは紙に控えてください。選べる分母は2〜12で、分子は0〜分母までです。仮分数や帯分数、分数のたし算・ひき算を計算する機能はありません。教科書の全ての問題を画面に入れるのではなく、大小と同じ大きさを説明する道具として使ってください。