生成AIを使ったことがある小学生は50.4%。

コロコロコミック研究所が10月9日に公開した調査レポートの数字です。

私は、多すぎると感じました。

レポートが伝えるのは「AIは便利、でも宿題には使わない」という子どもの姿で、安心できる結果にも読めます。けれども設問まで見ていくと、その安心は聞き方に支えられた部分が大きいようです。

13歳未満は生成AIを使うべきではない

そもそも私はそう考えています。

ハルシネーションのような不適切な情報やアドバイスに気づけない可能性が、大人よりも高いからです。

小学生の場合、生成AIでないといけないシチュエーションもないと思います。使い始めるのは中学生からでもいいはずです。

開発元の規約も、多くは13歳未満を対象にしていません。調査が例に挙げた4つのうち、ChatGPTとGrokは13歳以上、Claudeは18歳以上を利用の条件にしています。Geminiは、保護者が許可すれば13歳未満でも使えます。

それでも、時代の流れとして、だれでも使えてしまいます。

使わせないのが難しい以上、小学生にも正しい使い方を指導することは必要だと思います。

「考える力が弱くなりそう」63.0%は、聞き方に導かれた答え

コロコロコミック研究所の所長はこの63.0%などを受けて、「子どもたちはすでに、その違いを感じ、どう使えばいいのかを考え始めています」とコメントしています。

公開されたグラフでは、設問は「AIを使うと自分で考える力はどうなると思う?」と示されています。選択肢は「考える力が弱くなりそうで心配」「考えたことがない」「とくに変わらないと思う」「考える力がのびると思う」の4つです。

この設問は、質問文そのものに「考える力」という言葉が入っています。

こう聞かれた小学生は「弱くなりそう」と答えやすいものです。経験上、そういう傾向があります。

「考える力はどうなると思う?」と聞かれた子どもは、まず「AIを使っているとき、自分は考えているかな」と振り返り、「考えていないな」と思って、そのまま「弱くなりそう」にたどり着くはずです。

「AIを使うと私たちにどのような変化が起きる?」のように、「考える力」という言葉を伏せて聞けば、結果は大きく変わると思います。「わからない」と答える子どもが多くなるはずです。

宿題に使う子どもは、これから増えていく

「宿題にAIを使ったことはない」が7割強で、「AIの答えをそのまま使った」は約6%でした。夏休みの勉強や宿題にも、58.6%が「AIを使わない」と答えています。

安心する結果に見えるかもしれません。

子どものAI利用がこれから増えていけば、便利な使い方は子どもの間で共有されます。宿題に使い出す子どもも増えるでしょう。

だから、早めの指導が必要です。

教えるのは家庭が中心、学校は最低限

教えたいのは、生成AIの負の側面と、正しい使い方です。

負の側面は、主にハルシネーションです。それから、平均的な回答に落ち着いてしまうこと、学習データや参照したサイトの情報が間違っていることもあります。

正しい使い方とは、生成AIの回答を鵜呑みにせず、一次情報に近いソースを確認することです。

これを教える役割は、家庭のほうが大きいと私は考えています。

現状、子どもに生成AIを使うよう指導している小学校は、ほぼないはずです。使うとすれば家庭ですから、基本的には親が教えることになるのでしょう。

学校の責務としては負担が大きい、という事情もあります。

生成AIをまったく使っていない先生は結構いそうですし、使っていても、子どもに指導できるだけのリテラシーを持っている先生は少なそうです。研修をすることは考えられますが、先生の負担がさらに増えてしまいます。

学校では最低限の指導をする、というのが理想です。

これは今のところの話で、学習指導要領の改訂などで学校が子どもに生成AIを使わせるようになれば、学校の役割は大きくなります。

調査では、AIの知識や使い方を得ている相手の1位は「おうちの人」でした。その一方で、家庭でのAI利用のルールは、65.2%が「決めていない/わからない」と答えています。

宿題に使う子どもが増える前に、まず家庭で教えておくのがよいと思います。

調査は『コロコロコミック』読者またはその家族を対象にしたWEBアンケート(自社調査)で、期間は2026年6月15日〜7月14日、集計数は752です。