「右へ動かす」を覚える前に

単位換算で、小数点を動かす方向は覚えていても、何回動かすかで迷うことがあります。また、計算の手順は合っているのに、答えの単位を書き忘れることもあります。換算では同じ長さや重さを、別の単位で表しています。数の大小だけを見ると、何を変えたのかが分かりにくくなります。

単位ものさしの「しらべる」では、長さ・重さ・かさの仲間を選び、もとの数と単位を入れると、同じ量を表す数が単位ごとに並びます。「見たい単位」を選ぶと、10倍や10で割る操作が何回分なのかも出ます。答え合わせの前に「数は大きくなるか、小さくなるか」を予想する道具として使ってみてください。

2.5kmをmに直すときの問い

まず紙に「2.5km=何m」と書きます。「1kmは何m?」と聞き、1000mという関係を確かめます。それから「2kmだけで2000mある。2.5kmはそれより長いかな」と、大まかな見通しを立てます。この時点では小数点を動かす説明を急ぎません。

アプリを開いたら「しらべる」に切りかえます。長さを選び、もとの単位をkm、数を2.5にします。見たい単位をmにすると、2500mと、「10倍を3回」という道筋が出ます。2.5、25、250、2500と紙に並べ、1000倍は10倍を3回することと結びつけます。

もし25mや250mと予想していたら、「2kmより長いはずなのに、2000mより短くなっていない?」と、初めの見通しへ戻ります。小数点の位置だけを直すのではなく、答えが元の量と合っているかを確かめる方法になります。画面を閉じて「3.2kmなら?」と別の数で考えると、表示を写しただけになっていないかも分かります。

350cmをmにすると、数は小さくなる

次は逆向きの例です。350cmをmに直す前に、1mは100cmだと確認します。「100cmが何組ある?」と考えると、3mより長く4mより短い、と予想できます。同じ長さでも、大きい単位で表すと数は小さくなります。

もとの単位をcm、数を350にし、見たい単位をmにすると、3.5mと、「10で割ることを2回」という表示が出ます。350を10で割って35、もう一度割って3.5。なぜ2回かは、100で割ることと対応させます。「単位を1つ飛ばしたから小数点を1つ動かす」という考え方では、cmとmの100倍の関係を扱えません。

ここで、2.5kmをmにしたときと操作の向きが違うことを話します。同じmに直す場合でも、元がkmかcmかで方向が変わります。「mにするときは右」と覚えるのではなく、もとの単位より小さいか大きいかを毎回見る必要があります。

750mLをLへ、身近な容器とつなげる

かさを選び、750mLをLに直すと0.75Lです。先に「1000mLで1Lなら、750mLは1Lより多い?少ない?」と尋ねます。0.75の小数をまだ扱っていない子どもには、ここまでの予想だけでも構いません。学習していない計算を、画面で答えが出るからという理由で先に進める必要はありません。

換算表を見ると、同じかさが0.75L、7.5dL、750mLと並んでいます。容器のラベルや目盛りにmLとLがあれば、それを探してみます。実物では単位と数字が一緒に書かれているので、「750」だけを覚えるより、何の量を表すかがはっきりします。

実際に水を使う活動では、大人が用意した容器で十分です。画面に出た数と同じ量を無理に量る必要はありません。「この容器は1Lまで入る。750mLはいっぱいより少ない」という見通しと、換算した0.75Lがつながれば、紙の計算に戻れます。

まちがいは、向き・倍率・表記に分ける

答えが合わなかったときは、一度に全て直そうとせず、どこまで分かっていたかを確かめます。数が増えるか減るかの予想が逆なら、単位の大きさへ戻ります。方向は合うのに桁が違うなら、1km=1000mなどの関係を確認します。数字は合っていて単位がないなら、式の両側に単位を書きます。

たとえば350cmを35mとした場合、割る向きは合っていても、100倍の関係のうち10で割る操作を1回だけにした可能性があります。アプリの道筋を見ながら、もう1回割る理由を紙に書きます。「不注意」で終えるより、見直す場所が具体的になります。ただし、答えだけで原因を決めつけず、どのように考えたかを本人に聞いてください。

教室では同じ例を画面に映し、表示を出す前に予想をノートへ書けます。家庭では宿題の1問を自分で計算してから確認し、次の1問は画面なしで解く順が使えます。表の数をまとめて写すことを課題にするより、換算する前と後の量が同じだと説明する時間を取りましょう。

アプリが扱うのは長さ・重さ・かさです。面積、体積、時間の換算は扱いません。「しらべる」の入力は0以上の数で、ページを閉じると保存されずに消えます。試した式を残したい場合は、単位を付けて紙に控えてください。